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低体温
2018-05-25 | 低体温, 陶板浴

クーラーに頼りすぎず、「汗をかく」という人類の進化を有効活用して免疫力を上げよう

気温が高くなってくると、汗をかくのが不快と感じる人も多いでしょう。服に汗ジミができたり、匂いが気になったり。女性の場合はメークの崩れも気になるところです。

最近は、汗をかくことを嫌って、一日中、クーラーのきいた快適な室内で生活する人も増えてきましたが、クーラーが普及する数十年前までは、人間は汗をかくことで涼を得ていました。汗をかいたら、うちわや扇風機などの風を浴び、蒸発する気化熱によって体の表面温度を下げるようにしていたのです。つまり汗をかくことそのものが、涼しさを得る方法だったのです。

では、クーラーを使って快適に過ごすのと、汗をかいて気化熱を利用するのと、どちらが体にとって好ましい涼のとり方なのでしょうか。

その答えは、人類の進化の過程をたどってみるとはっきり見えてきます。

動物の中で汗をかくのは人間だけ。

もし、そう思われているとしたら間違いです。実際には、犬猫馬などの身近な動物も汗をかいています。馬は人間と同様の汗腺が全身にあり、人間に近い汗のかきかたをしています。走り終えた競走馬の体からは水蒸気が見えるほどです。

犬や猫も汗をかいていますが、人間と同じような汗腺があるのは足の裏や鼻の頭だけ。その他の場所にある汗腺は、体温調節のためにではなく、ある種のフェロモンを放出するためのもので、動物同士のコミュニケーションツールとしての役割をしています。ですから、暑いときに、犬は舌を出してハァハァしますし、猫は全身を舐めて体温の調節をする必要があるのです。

つまり、皮膚から汗をかいて体温調節ができるのは人間と馬くらい。ほとんどの動物は汗をかくことで体温調節ができないために、暑い日中にたくさん運動をして体温が上がりすぎてしまうと、熱中症になってしまう可能性があります。そのため、アフリカのサバンナにいる野生動物の多くが夜行性という進化を選んだのです。

人間が皮膚で汗をかくようになったのは、進化の過程で、生活の場を木の上から草原に移し、二足歩行をするようになったからだと言われています。同時に厚い毛皮を脱ぎ捨て、素肌をさらすようになりました。

人間は、サバンナを駆け回る野生動物のような速い早い足も、屈強な牙も爪も持ちませんが、動物を長時間辛抱強く追い回すという方法の狩りを考案しました。汗をかかない野生動物たちは、長時間走り続けると、体の中に熱がこもり熱中症を起こし、走ることができなくなってしまうのですが、汗腺を手に入れた人間は、熱中症を避けて日中でも動き回ることができるようになったのです。現代人がマラソンのような長距離を走り続けられるのも、毛皮をまとわず、汗腺を使うという進化をしたおかげなのです。

私たちの先祖は、生きるために「汗をかく」体を手に入れましたす。ですから、暑すぎるから、快適だからといって、一切汗をかかない環境の中に身を置き続けてしまうと、生物としての大切な本能を封印することになってしまいます。

こうした現代的な生活様式は、私たちの体に本来備わっている、免疫力や抵抗力を低下させる原因になってしまいます。また、体温の低下、血圧の上昇や下降、消化吸収など、さまざまな、生物的機能にも影響が起こってしまいます。

確かに汗をかくのは不快ですが、日中は体が冷えるようなクーラーの温度設定をせず、薄っすらとかく汗を、扇風機の風で蒸発させるような環境をつくることが大切です。そして、脱水症状にならないよう、出た汗の分の水分を十分に摂取するようにしたいものです。

2018-02-28 | 低体温, 陶板浴

体を温める代表食材「生姜」は、夏と冬で食べ方を変えるのが正解

体を温める食材の筆頭といえば生姜。

日本だけでなく、東南アジア、中国、西インド諸島などでも生産され、昔から薬用として根茎の部分が使われてきました。

冷え性の人の中には、生姜湯を愛飲している人も多いようです。確かに体を温める優秀な食材なのですが、より効果を高めるためには摂取の方法を工夫する必要があります。

生姜に含まれる特徴的な成分で、さまざまな効能の元になっているのが「ジンゲロール」と「ショーガオール」という2つの成分です。これらは下記のように、違った性質や効能が知られています。

生の生姜には「ジンゲロール」がたっぷり含まれており、体の表面を温かくして発汗を促します。汗をかくことで体から体温が奪われるため、生の生姜を食べて時間が経過すると体が冷えてきます。また、脂肪の吸収を抑えてくれるので、油分の多い食事と一緒に生の生姜を食べると、抗酸化作用が発揮されてヘルシーです。免疫細胞の一つ、白血球を増やすことも知られています。

ところが、生姜を80℃程度に加熱すると、「ジンゲロール」が「ショウガオール」に変化します。ですから火を入れて調理したり、お茶にすると「ジンゲロール」の効果は薄れ、「ショウガオール」の効能が得られるようになります。

加熱した生姜を食べると、体内では脂肪や糖質が燃え、体の深部からぽかぽかしてきますが、これは「ショウガオール」の力によるもの。時間をかけて体温が上昇していきます。

また、運動の30分ほど前に食べると、脂肪をたくさん燃やすことができるので、ダイエットにぴったりな食材とも言えます。九州大学の発表によれば、通常、運動開始から30分で燃焼を始める脂肪ですが、「ショウガオール」を摂取してから運動すると脂肪燃焼開始までの時間が20分に短縮できたそうです。同時に、脂肪燃焼で生まる体内の老廃物を、汗や尿として排出する力もあるので、体の解毒としても優れています。

血流を改善し、傷んだ血管を修復する効果もあります。狭心症や心筋梗塞の原因となる動脈硬化を予防し、治療にも役立つという論文も発表されていますし、アレルギー皮膚炎、糖尿病、がんなどの予防や、美白効果、認知症の発症を抑える力もあると報告されています。

こうした効果を考えると、季節や期待する効能によって、生姜を生で食べるか、加熱して摂取するか決めるのが良さそうです。

【生で食べるのがおすすめ】

  • 暑い夏・・・すり下ろして薬味にしたり、レモンやハチミツを加えてジンジャージュースにして飲むと、体から熱が取れてクールダウンできます。
  • インフルエンザ予防・・・細菌やウイルスから体を守ってくれるので、インフルエンザが流行する時期に生の生姜をとるのはおすすめです。
  • 病後の回復・・・自己免疫機能のアップも期待できるので、風邪をひいたときに生姜を食べると、回復を早めることができます。

【加熱して食べるのがおすすめ】

  • 冷え性・肩こり、腰痛、頭痛の改善・・・血行が促進され、全身がすっきりします。
  • ダイエットをしたいとき・・・運動の前に摂取すると脂肪燃焼効果がアップ。
  • 生活習慣病の予備軍・・・血管年齢をあげてくれます。
  • 寒い日・・・体の芯から温めてくれるので、ほかほか感が長時間続きます。
  • 美肌・・・血流が良くなるので皮膚にハリが生まれます。美白効果もあり。
  • 夏のクーラーで冷えたとき・・・夏でも冷えを感じる人は加熱がおすすめです。

体を温める生姜ですが、体の芯から温めるには、加熱して食べましょう。

生姜を使ったレシピも今後、紹介していく予定です。お楽しみに

2018-02-24 | 低体温, 陶板浴

静電気の起こりやすい人は低体温!?帯電を防いで血流を改善しよう

乾燥するこの季節。

何と言っても嫌なのは「バチッ!」とくる静電気。ドアノブを触るのは怖いし、服を脱ぐときにもパチパチ。

痛いけれど、乾燥しているから仕方ないと思っていませんか? その諦め、実は健康によくありません。静電気をたくさん感じている人は、体が冷えている可能性があるのです。

そもそも静電気とはなんでしょうか。

地球上にあるすべてものは、小さな原子が組み合わさってできています。原子にはプラスの電気を持ったものとマイナスの電気を持ったものがあり、通常はプラスとマイナスが同じ数集まってお互いを打ち消しあって存在しています。

しかし、二つのものがこすれ合うと、動きやすい性質を持つマイナスの電子が移動して、プラスとマイナスのバランスが取れなくなってしまいます。この状態を「帯電」と呼びます。人や物が動き、触れ合えば、帯電するのは避けられません。

帯電した物体は磁石と同じような働きをします。プラスの帯電をしているものと、マイナスの帯電をしているものを近づけたるとくっつこうとします。髪の毛に下敷きをこすりつけて離すと、髪の毛が下敷きに吸い付いたり、スカートが足にまとわりつくのがこの状態です。反対に、マイナスとマイナス、プラスとプラスが触れると反発し合います。

私たちの体に帯電が起きるとき、たいていはプラスの電気が多く余った状態になっています。このときに、電気の流れやすい金属などに触れると、体からプラスの電気が逃げて金属に流れていきます。これが、私たちが感じる静電気。つまり、静電気はたまりすぎた電気を放電しているというわけです。

それにしても、なぜ、空気が乾燥していると静電気が起こりやすいのでしょうか。

その原因は、水が電気を逃がしやすい性質を持っていることにあります。湿度の高い場所では、体から電気が逃げやすく、体に電気が溜まりにくいのですが、空気が乾燥していると体から電気が逃げられず帯電しやすいのです。それに、汗をかくため、衣類にも湿気がありますし、カーペットやスリッパなども湿気を帯びています。人間だけでなく、物体も帯電しにくい状態になっているのです。

また、冬は重ね着をしますから、衣服同士がこすれあう機会が増えるのも静電気が起こりやすくなる原因の一つです。

ここからが、いよいよ本題です。

静電気が起こりやすい人は、なぜ冷え症の可能性があるのでしょうか。

体に帯電が起きると、毛細血管がきゅっと収縮します。血管が細くなるわけですから、血流が滞ることになり、体の冷えが引き起こされてしまうのです。

また、帯電の多くはマイナスの電気が不足した状態です。マイナスイオンが不足すると、体内が酸性に傾き活性酸素が発生します。活性酸素は体をさびさせ、体温の低下を招きます。

さらに、静電気のバチッとした衝撃は、自律神経の交感神経を刺激して血糖値や血圧を上昇させます。即座に脳は、自律神経のバランスを元に戻そうとホルモンを分泌させるのですが、このとき体内のビタミンCをたくさん使うことになります。ですから、静電気の起こりやすい人は、肌がカサカサしやすい体質だとも言えるでしょう。

逆の見方をすると、体調が良くないとき、体が冷えているときには、血流が滞りがちになりますから、静電気が起こりやすくなります。寝不足、ストレスや疲れがたまっているとき、病み上がりにも帯電しやすく、静電気を感じることが多いはずです。

では、静電気から身を守る、簡単な方法をいくつか紹介しておきましょう。

◉帯電を防ぐ方法

  • 室内の湿度を65%以上に保つ
  • 肌を乾燥させないように保湿クリームを塗る
  • 絹、綿など天然素材の肌着を着る
  • 化学繊維の重ね着をしない
  • シルクの靴下をはく
  • 良質なミネラルウォーターを飲む

日常生活の中では、上手に放電をして、バチッとくる静電気を防ぎましょう。たとえば、金属製のドアノブを触る前に、コンクリートや木、土に触るのも良いですし、革製品は電気を通さないので、車のドアノブに触るときに革手袋をするのも一策です。パソコンを常時使用する仕事をする人は、靴底から放電する仕様になっている靴も販売されているので利用するのも良いですね。

それから、洗濯乾燥機を使われる人におすすめなのが、アルミホイルで作ったボールを3個投入して乾燥機を回す方法です。アルミホイルを硬く丸めて、ゴルフボールほどの大きさにするだけ。乾燥機から衣類を取り出すときに、静電気で痛い思いをしなくてすみます。試してみてください。

全身疾患を引き起こす「歯周病」。冷え性の人は「歯周病」になりやすい!?

歯と全身の疾患について研究している歯科のドクターとお話をする機会を得ました。噛み合わせ、虫歯、歯周病など、歯の問題は、さまざまな病気と深い関連があるそうですが、今回は歯周病全身疾患の関係について教えていただいたことを紹介します。

私たちの口の中には、常に500種類近い細菌がいるそうです。これらの菌が、甘い食べ物や、いつまでも口の中に残った食べカスと反応すると歯垢と呼ばれるものになります。

歯垢はベタベタ、ネバネバしていて、歯磨きでは落としきれず、歯の表面や、歯と歯肉の間にくっつきます。この歯垢が、歯と歯肉のあいだにある「歯肉溝」に溜まると、細菌が住み着き炎症を起こします。これが歯周病の始まりです。

さらに症状が進むと、溝が深くなり、歯周ポケットと呼ばれるようになり、やがて、歯を支える骨を溶かしてしまいます。歯を失う原因になってしまうのですね。

口の中で起きる歯周病ですが、恐ろしいことに「歯周病菌」は口の中だけにとどまりません。歯茎にある毛細血管に入り込み、全身に運ばれてさまざまな病気の原因になってしまうのだそうです。

たとえば心臓の病気。

狭心症や心筋梗塞は、血液がドロドロになったり、血管が狭くなる「動脈硬化」が起きたて、心筋に血液が届かなくなって心臓が止まってしまう可能性のある病気です。主な原因は、食事や生活習慣にあると言われてきましたが、近年研究が進み、

動脈硬化は歯周病菌などの細菌感染が原因

と、言われるようになってきました。歯周病菌が歯茎の毛細血管から動脈に入り、血管の壁に沈殿して「プラーク」と呼ばれるものになります。このプラークが剥がれて血管をふさいだり、狭くしたりすることで動脈硬化が起きてしまうのだそうです。

脳の病気も歯周病との関連がささやかれています。

歯周病菌のプラークが脳の血管まで流れてきて、脳の血管を詰まらせると、脳梗塞の原因になります。

歯周病の人は脳梗塞になる確率が2.8倍!

と言われているそうです。

糖尿病と歯周病は密接な関係があり

糖尿病の合併症は歯周病。

歯周病の人は糖尿病になりやすい。

と、相互関係があるのだそうです。歯周病は「菌」ですが、血管に入ると死滅してしまいます。しかし、その死骸が身体の中で悪さをするのです。血糖値を下げるホルモン「インスリン」の働きを邪魔して、糖尿病の症状を悪化させることもあります。

難しい話は省きますが、歯周病という「菌」が、歯肉の毛細血管から入り込むということは、私たちの血液が「菌」で汚されるということです。食事に気をつけて、規則正しい生活をしていても、歯茎から「菌」を取り入れてしまえば、血液が汚れてしまう。怖いですね。

では、歯周病の原因は?と、ドクターに質問すると…

まずは、歯と歯肉の境目の汚れ。これは、常識ですね。歯と歯肉のあいだにある「歯肉溝」に汚れを残さないことが一番です。歯と歯肉の境目をしっかりブラッシングして、細菌をためないようにしましょう。

歯ぎしりや、くいしばり、かみしめなど、歯肉によけいな力が加わることも原因の一つだそうです。眠っている間や、無意識のうちに歯をかみしめる癖のある人は、マウスピースを作成してもらって、歯肉の負担を減らしたほうが良いそうです。

また、合っていない義歯や被せ物、歯が不足している人も歯周病になりやすいそうです。

他にも、喫煙や薬の副作用などが原因になることもあるそうですから、思い当たる人は歯医者さんでチェックしてもらいましょう。

そして、今回、とっても驚いたことに、歯周病の原因として「冷え」が関連しているということ。

身体が冷えると、歯茎の血行も悪くなります。歯茎には細い毛細血管がたくさんありますが、冷えて血行が鈍ると、歯肉の免疫機能が衰えるというのです。

普段なら自分の免疫機能で排除できる歯周病菌であっても、血行不良を起こしていると、菌の力に負けてしまうのです。歯周病菌は「今がチャンス!」とばかりに、歯肉の中に住み着き、炎症を起こしていきます。疲れているときや、寝不足のときに「歯茎がうずく」なんて言う人は、歯周病菌が住み着いていて、体力が弱ったのを良いことに歯周病菌が活動を始めた可能性があるそうです。

そうした経験のある人は、必ず歯科検診をうけてください。歯周病のチェックをしてもらい、治療やセルフケアをスタートさせましょう。

では、歯周病を予防するために、歯茎の血行を良くする方法は?

最初に思いつくのは「歯茎のマッサージ」ですよね。

でも、歯ブラシで歯茎を刺激するのはおすすめできないそうです。歯と歯肉の間をブラッシングして汚れをかき出すことは必要ですが、歯茎そのものをブラッシングすると、歯茎が下がってしまいます。マッサージをするのであれば、清潔にした指で、歯肉を軽くなでるくらいで十分です。力を入れすぎないようにしましょう。

一番のおすすめは、身体の中を温めること。

歯周病予防のために、身体の免疫力を上げるには、体温37℃が目標です。入浴で全身を温め、身体を冷やす食べ物は避けましょう。そして血液から温めるのであれば、陶板浴が最適です。

2017-11-19 | ペット, 低体温, 陶板浴

犬は寒さに弱い!! ペットの「冷え」は、あらゆる病気の原因になっている

犬や猫を飼っている家庭では、朝晩、冷えるようになってくるこの季節、ペットが飼い主さんの布団に潜り込んだり、ファンヒーターの前を占領するようなことが増えてくるようです。毛皮で覆われているのに、本当に寒いの? 甘えているだけでは? などと、疑問に思う飼い主さんもいるのではないでしょうか。

特に犬は、童謡の歌詞でも「雪が大好き!」とうたわれていることもあり、寒さに強いと信じている飼い主さんも多いと思います。しかし、実は、家庭で飼われている多くの犬種は、寒さにめっぽう弱いのだそうです。

その真実を探るべく、「ペット鍼灸セラピー協会」認定のセラピストである中尾美季先生にお話を伺いました。

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体力的にみて、日本の冬を外で過ごせるのは、昔から寒い地方で外飼いされていた犬種に限ると考えるべきです。もともと日本で暮らしていた犬であれば、柴犬、秋田犬、北海道犬、甲斐犬・紀州犬・四国犬。海外から入ってきた犬種であれば、シベリアンハスキーやサモエドなどがそれに当たります。これらの犬種でも、幼犬の頃から家の中で育ててきた場合は、成長の途中で外飼いに変更するのは、犬のストレスになるので避けたほうが良いでしょう。

その他の犬種に関しては、寒さに弱いことが多いようです。飼い主さんの布団の中や、こたつに潜り込むというのは、温かくて気持ちが良いからです。その家のしつけ方針に沿っているのであれば、叱ってまで犬の行動を止める必要はありません。

私は犬や猫に鍼灸セラピーをするのが仕事なのですが、最近は、犬も猫も「冷え」ている子が多く驚きます。特にアレルギーを持っている子や、老齢期の犬や猫では、耳やお腹、肉球が冷たいと感じます。表面的な身体の冷たさは、必ずしも体温とは合致しませんが、体表の冷たい子は、たいていの場合、身体の深部が冷えていることが多いのです。こうした身体の「冷え」は、病気と密接な関係があります。

東洋医学では「五行」という気の考え方に基づいて、診断や治療が行われます。木・火・土・金・水という5つの気の性質が、お互いに影響を与えながらバランスをとることで、身体が整えられるというと考え方です。互いに助け合うことは「相生関係(そうせいかんけい)」、互いに抑制することは「相剋関係(そうこくかんけい)」と呼ばれ、体内の臓器にも当てはめることができます。

たとえば、「水」は「冷え」を表しますが、「冷え」が起きる「木」である肝や胆も同時に弱まります。また、「土」である胃や脾が弱まると、「水」も抑制されて「冷え」が強くなるのです。つまり、身体が冷えると、腎臓や膀胱が最初にダメージを受け、それに引っ張られるように、肝臓や胃腸にも悪影響が及ぶのです。犬や猫に多い、腎臓病や胃腸障害、尿石症や膀胱炎は、冷えが原因で起きていることが多いと考えると納得がいきますね。ケンネルコフなどの感染症予防にも、免疫力を上げる方法として「冷え」の改善をおすすめしています。

また、冷えは血のめぐりを滞らせる大きな原因になります。血液の流れが悪くなると、身体の末端に血液が届きにくくなり、犬や猫でも「冷え性」になってしまうのです。同時に、筋肉をこわばらせるので、犬や猫でも肩こりを起こしている子は意外に多く、老齢になると関節炎を起こすこともあります。

犬や猫にとって快適な、冬の部屋作りとして提案をするのであれば、ペット専用の温かい場所を作ってあげることです。専用の毛布や、ドーム型のベッドなど、自由に行き来できる場所に、身体を温めるグッズを用意してあげましょう。

洋服に関しては、猫は毛づくろいの邪魔になるので不要ですが、犬の場合は寒暖差を避けるためにも、嫌がらなければ外出時など積極的に活用して良いと考えます。また、洋服でなくても、お腹と腰を温められる腹巻タイプでも十分です。血管が締め付けられると「冷え」を起こす原因になってしまいますので、洋服なら少しゆとりのあるサイズを選びましょう。

また、冬の散歩はできるだけ温かい時間を選ぶのが望ましいです。ただし、寒いからと靴を履かせるのはどうでしょう…。肉球には感覚器官としての役割があり、暑さや寒さから身体を守ってくれます。また、土の上を歩くことで、体内にたまった余分な電磁波を体外に放出するという説もあります。ですから冬であっても、脚に疾患がなければ靴は履かせず、コンクリートより土の上を歩かせてあげてください。

入浴で身体を温めるのははどうですか? という質問をされる方が多いのですが、犬や猫が気持ち良さそうにするのであれば構いません。ただ、被毛がいつまでも濡れていると、体温を奪われてしまいますから、毛を素早く乾かす必要があります。どちらかというと、入浴よりは身体の深部を温められる方法が良いでしょう。

陶板浴は被毛を濡らさずに、深部まで温められるため、犬や猫を「冷え」から守るには大変有効な方法だと考えられます。1回に5〜10分程度、毎日でなくても継続することが大切です。1回の時間が長過ぎすぎると、温まりすぎてのぼせてしまいます。目安としては、耳が熱くなったら終了すると良いでしょう。陶板浴後は水分補給を忘れずに。お水をたっぷり与えてあげてください。

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中尾美季(なかお みき)先生

ペット鍼灸セラピー協会 認定セラピスト/JPLA小動物看護師・介護士

ペット鍼灸セラピーハウス「茶居day」主催。刺さない鍼やお灸で、ペットの身体のバランスを整え、基礎代謝や自然治癒力や免疫力をあげるサポートを行っています。

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中尾先生ありがとうございました。犬と猫に飼い主さんが自分でできる、お灸とマッサージについても教えていただく予定です。

銀座の精神科医が解説。冷えが原因で「うつ病」や「パーキンソン病」を発症する


秋が深まり、急に寒くなってきました。
これからの季節、精神科には「眠れない」「胸が苦しい」「会社に行かれない」と訴える患者が増えるのだそうです。

銀座でメンタルクリニックを経営するドクターにお話を伺いました。

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秋から冬にかけて、「うつ病」の症状を訴える人が多くなります。「冷え」がその原因の一つになっていることは間違いありません。

身体が冷えると、血管が縮まり、血流が滞りやすくなります。
血流が悪くなると、血液がドロドロになり、血管が詰まったり、血管が狭くなり、生活習慣病を始めとする病気にかかりやすくなるのです。

それに、体温が1度下がると、免疫力は30%も落ちると言われていますから、身体が冷えることで抵抗力を失い、病気の罹患率も高くなると考えらます。

血流の悪化は、内蔵だけでなく、脳にも大きなダメージを与えることがわかってきました。脳の血管が萎縮すると、当然ですが、脳内でも血液が不足します。脳には非常に細かい血管がたくさんめぐっていますが、毛細血管の先端まで血液が循環しなければ、何かしらの障害が起こってしまうことは、たやすく想像できます。

それによって、うつ病や認知症、パーキンソン病などの、脳が原因となる病気を発症することがあるのです。やる気が起きないとか、眠れないといった症状があれば、なるべく早く精神科を受診してもらいたいですね。

急激に冷えてくる季節は、特に注意が必要です。自分ではそれほど冷えていると思っていなくても、寒暖差で自律神経のバランスが崩れていると、血流や血圧に悪影響が生じていることがあります。

また、仕事で座りっぱなしの方や、立ちっぱなし方は、下半身に血液が集まりやすいですし、女性の場合、ストッキングだけといった薄着の状態で一日中過ごすために冷えは思いのほか強くなっています。ひざかけを使ったり、暖性のあるタイツを着用するなど、冷やさない工夫が大切です。

効率良く、全身の血流をアップさせるには、ふくらはぎを温めると良いでしょう。ふくらはぎは第二の心臓とも呼ばれますが、下半身から心臓に血液を戻すポンプの役目をしています。ふくらはぎが温まることで、全身の血行を促し、脳への血流も改善することができるのです。

できればレッグウォーマーやハイソックスなどを利用するのがおすすめですが、日中は仕事で服装に制限がある人は、休憩時間にカイロなどでふくらはぎを温めてみましょう。休日であれば、のんびり足湯をすると、副交感神経が刺激されてリラックスできます。入浴時には、ふくらはぎを下から上へ優しくマッサージしてください。リンパの流れを改善しできます。マッサージは力強く行う必要はありません。ソフトタッチが基本です。

ただし、温めると言っても、頭そのものを直接温めることのは厳禁です。頭を温めすぎると、交感神経が極端に優位になってしまいます。その結果、血圧の急上昇や、極端に呼吸が早くなり、頭痛やのぼせの原因になってしまいます。

冷えを解消するには、血管を温めることが最も重要な事です。ですから、体内の深部まで温かさが伝わる陶板浴は冷えに対して大変効果が高いと考えられます。入浴と違って、湯冷めをすることがないので、時間を選ばず利用できるのも良いですね。

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冷えと精神疾患に大きな関連性があったとは驚きでした。血管が温まることで脳も健康になるのですね。

2017-09-28 | がん, 低体温, 陶板浴

低体温症の人、必読!体温の低い人は「がん」になりやすい!?がんと体温の関係をドクターに直撃しました

ブログ担当のM子の友人に、平熱が35.2℃という40代の女性がいます。彼女は母親と姉をがんで亡くしていますが、その二人も低体温だったそうです。なので、「自分もがんになる」と、いつも不安を口にします。

そこで、先日お会いした内科のドクターに「低体温とがん」に関係性があるのかと伺ってみました。すると、衝撃のお答えが…

がんは高体温が嫌い!

なのだそうです。
がん細胞がもっとも活発になるのは35℃台というのが定説になっていて、逆に43℃を超えるとがん細胞は死滅するという実験の報告もあるそうです。もちろん43℃のお風呂に入ったからと言って、体内の深部体温がそこまで上昇するわけではありません。

ですから、体温を上げるだけで、がん細胞を死滅させるのは難しいようですが、がんをできにくくする、増殖させないために「体温を上げる」というのは、とても大切なことと教えてくれました。

がんの元になる細胞は、健康な身体の人の中にも日々つくられていますが、私たちは免疫力でそれらの細胞を死滅させ続けています。しかし体温の低い人は、がんに対する免疫が低くなってしまうために、体温が高い人よりも早くがんに発展してしまう可能性があるのです。

早速友人にこの話を伝えたところ、彼女はバスタイムが一年中シャワーだけだったということが判明しました。お風呂につかるとすぐにのぼせてしまうと言うのです。手前味噌ですが、アップワンの陶板浴なら、のぼせることなく、深部体温に好影響を与えられることを説明しました。今度ショールームに遊びにくると言っていましたから、そのときのレポートは、後日アップさせていただきます。