生姜は加熱して食べると、体を深部から温めるというブログを書いたところ、多くの方から「豚肉の生姜焼きくらいしか思いつかない」「生姜料理を教えて欲しい」という声が届きました。
そこで、今回は、料理研究家の内藤朋子先生に、生姜を使った簡単レシピを教えていただきました。
「薬味やトッピングにしか使わないという方も多いのですが、思い切って味付けのメインに生姜を使ってみるのもおすすめです。肉や魚の旨味を引き立ててくれますし、根菜類との相性も抜群です。今回は、スープと炊き込みご飯の生姜レシピをご紹介します。体の深部を温めてくれる温かい生姜料理は、病み上がりや、疲れがたまっていると感じたときにぴったりです。これからの季節、新しい環境で過ごす方も多いでしょう。心も体もリラックスできる生姜料理で、癒されてください」
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◎生姜と手羽元のあったかスープ(上の写真)
材料(3人分)
大根 10センチ程度
鶏手 羽元3本
生姜 2かけ(煮込み用1かけ、トッピング用1かけ)
豆苗 適宜
鶏ガラスープの素(顆粒タイプ)大さじ2
ごま油 大さじ1
塩麹 小さじ1強〜適宜
作り方
① 手羽元は骨に沿って包丁で切り込みを入れ、塩麹小さじ1をよくもみ込んでおく
② 大さじ1のごま油を鍋で温め、輪切りにした生姜1かけ分を香りよく炒める
③ ②に乱切りにした大根を加えてさらに炒め、油が回ったところに手羽元も加え、肉の 表面の色が変わる程度まで炒め合わせる
④ 水3カップと大さじ2の鶏ガラスープの素を入れ、弱火で大根が柔らかくなるまで煮込む
⑤ 手羽元に火が通ったら、スープを一度ざるで濾す。少し温め直し、味をみて足りないようであれば、塩コショウで味を調える
⑥ 器に盛り付け、同じ長さに揃えた針生姜と豆苗をトッピングして完成
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◎生姜とアジのご飯(下の写真)
材料(2合分)
米 2合
生姜 3かけ
アジの干物 1枚
大葉 2〜3枚
酒 大さじ1
しょうゆ 大さじ1
塩 適宜
作り方
① 生姜を繊維に沿って細めの千切りにする
② 鰺の干物をグリルで焼いておく
③ 研いだ米に①と調味料を入れ、2合のメモリまで水を入れたあと、アジの干物を米の上にのせて普通に炊く
④ ご飯が炊きあがったら、アジを取り出し、骨と皮を取り除いて身をほぐしてご飯に混ぜる
⑤ 器にご飯を盛り、細切りにした大葉と針生姜をトッピングして完成
ブログ担当者も早速つくってみましたが、簡単で美味しい、しかも体がポカポカ温まるお料理でした。食べ盛りのお子さんのいるお宅なら、手羽をたくさん煮込んでも良いですね。
これから冷房の効きすぎた室内で過ごす時間の増える季節。夏こそ、ポカポカあったか料理を夕食に取り入れる作戦で、体温37℃を目指しましょう!
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内藤朋子先生
フードアナリスト。特別な材料を使わず、誰でも簡単に作れるメニューを提案している。
食育、アンチエイジング料理など、「美と健康」を意識したレシピに定評あり。
ブログ『おいしい便り』も好評。食材や料理、先生のおすすめのお店などが紹介されています。
https://torinomama.exblog.jp
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2018-03-24 |
ストレス,
免疫力,
陶板浴
皮膚科の先生にお話を聞く機会がありました。
「春は忙しいんだよ」と開口一番。皮膚科と春って、あまり結びつきがないように感じたので、その理由を伺うと・・・
春は帯状疱疹の患者さんが急増します。
と、先生。
そういえば、友人も3月に帯状疱疹になったと言っていました。帯状疱疹と言えば、雅子様も発症されて、大変だったと報道されたことがありましたね。
なぜ、春に帯状疱疹を発症する人が多いのか、そして、そもそも帯状疱疹ってどんな病気なのか、取材させていただいたのでご報告しておきます。
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帯状疱疹は、水ぼうそうのウイルスと同じ、痘・帯状疱疹ウイルスによって発症します。このウイルスに初めて感染したときには、水ぼうそうとして発症します。子どもの頃に全身ブツブツになった記憶のある方もいるでしょう。
水ぼうそうは1〜2週間程度で症状がひくものなのですが、実は、ウイルスそのものは体から消失していません。体内の神経節に潜伏して、じっと静かに息をひそめています。このウイルスが大人になって再び活動を始め、神経を伝って皮膚に表れるのが帯状疱疹の正体です。ですから人から人へ感染するのではなく、自分自身が持っているウイルスによって症状が現れるということになります。
では、どんなときに症状が出てしまうのかというと、疲れやストレスがたまったとき、別の病気で体力が落ちているとき、加齢で免疫力が落ちてきた場合などが、発症のタイミングとしてよく見られます。体が弱っているな〜とウイルスが検知して、活動を始めるのです。
人事異動などがあって、新しい環境での生活がスタートする人の多い春は、ストレスがたまりやすい時期だとも言えます。卒業、新入学、新入社員など、若い人でも、ストレスフルになると発症するので注意が必要です。また、季節の変わり目で寒暖差の激しい時期。通年通しても、免疫力の落ちやすいのが春なのです。ですから、帯状疱疹の患者さんが春にとても多くなるのです。
帯状疱疹の症状は人によってさまざまですが、基本的には体の右側、左側のどちらかに赤い丘状のふくらみや水疱が、神経に沿って帯状に広がります。胸、腕、背中、腰などが表出しやすい部位ですが、顔面や頭部にできる人もいます。
水疱のできた部分は、ピリピリと刺すような痛みがあり、衣服が触れただけで飛び上がるように痛みを感じる人、眠れないほど苦しむ人もいます。逆に、痛みはほとんど感じず、発熱やだるさを訴える人もいます。患部は、症状がやわらぐとともにかゆみにかわり、水疱は乾燥してかさぶたのようになっていきます。
虫さされだと思って放置してしまう人や、頭部に症状が出て脳神経の病気だと勘違いする人もいます。普段、感じたことのないようなピリピリした痛みをおぼえ、水疱ができていたら大至急、皮膚科を受診してください。発症後、できるだけ早く薬を飲むことで、症状を軽くすること、治るまでの期間を短縮することができます。
放っておいても2〜3週間で症状は治まるのですが、医師から指示された期間、服薬を続けることで再発を防ぐことができます。しっかりウイルスを退治しておかないと、再発することもあるので注意が必要です。
春に患者さんが多いのは確かですが、年間通して発症する可能性があります。ゴールデンウィーク開けなども、疲れが出やすい時期ですから、異変を感じたらすぐに受診することを心がけてください。
まれに、左右両側に発疹が現れることがありますが、この場合は、別の病気を併発している可能性が高いので、詳細な検査を受ける必要があります。高齢者が発症すると、命に関わることもあります。また、若い人でも、重症化することがあるので、軽く考えず、しっかり治療するようにしましょう。
発疹が出ている患部を「冷やす」のは絶対にやめてください。できるだけ体を温めることがとても大切です。
患部の痛みをとり、体内の免疫力を上げるためにも、少しぬるめのお風呂でゆっくり温まるようにしましょう。陶板浴を利用するもの良いですね。
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何かとストレスの多い新年度。免疫力を上げて、帯状疱疹を発症しない元気な体でいたいものです。
体を温める食材の筆頭といえば生姜。
日本だけでなく、東南アジア、中国、西インド諸島などでも生産され、昔から薬用として根茎の部分が使われてきました。
冷え性の人の中には、生姜湯を愛飲している人も多いようです。確かに体を温める優秀な食材なのですが、より効果を高めるためには摂取の方法を工夫する必要があります。
生姜に含まれる特徴的な成分で、さまざまな効能の元になっているのが「ジンゲロール」と「ショーガオール」という2つの成分です。これらは下記のように、違った性質や効能が知られています。
生の生姜には「ジンゲロール」がたっぷり含まれており、体の表面を温かくして発汗を促します。汗をかくことで体から体温が奪われるため、生の生姜を食べて時間が経過すると体が冷えてきます。また、脂肪の吸収を抑えてくれるので、油分の多い食事と一緒に生の生姜を食べると、抗酸化作用が発揮されてヘルシーです。免疫細胞の一つ、白血球を増やすことも知られています。
ところが、生姜を80℃程度に加熱すると、「ジンゲロール」が「ショウガオール」に変化します。ですから火を入れて調理したり、お茶にすると「ジンゲロール」の効果は薄れ、「ショウガオール」の効能が得られるようになります。
加熱した生姜を食べると、体内では脂肪や糖質が燃え、体の深部からぽかぽかしてきますが、これは「ショウガオール」の力によるもの。時間をかけて体温が上昇していきます。
また、運動の30分ほど前に食べると、脂肪をたくさん燃やすことができるので、ダイエットにぴったりな食材とも言えます。九州大学の発表によれば、通常、運動開始から30分で燃焼を始める脂肪ですが、「ショウガオール」を摂取してから運動すると脂肪燃焼開始までの時間が20分に短縮できたそうです。同時に、脂肪燃焼で生まる体内の老廃物を、汗や尿として排出する力もあるので、体の解毒としても優れています。
血流を改善し、傷んだ血管を修復する効果もあります。狭心症や心筋梗塞の原因となる動脈硬化を予防し、治療にも役立つという論文も発表されていますし、アレルギー皮膚炎、糖尿病、がんなどの予防や、美白効果、認知症の発症を抑える力もあると報告されています。
こうした効果を考えると、季節や期待する効能によって、生姜を生で食べるか、加熱して摂取するか決めるのが良さそうです。
【生で食べるのがおすすめ】
- 暑い夏・・・すり下ろして薬味にしたり、レモンやハチミツを加えてジンジャージュースにして飲むと、体から熱が取れてクールダウンできます。
- インフルエンザ予防・・・細菌やウイルスから体を守ってくれるので、インフルエンザが流行する時期に生の生姜をとるのはおすすめです。
- 病後の回復・・・自己免疫機能のアップも期待できるので、風邪をひいたときに生姜を食べると、回復を早めることができます。
【加熱して食べるのがおすすめ】
- 冷え性・肩こり、腰痛、頭痛の改善・・・血行が促進され、全身がすっきりします。
- ダイエットをしたいとき・・・運動の前に摂取すると脂肪燃焼効果がアップ。
- 生活習慣病の予備軍・・・血管年齢をあげてくれます。
- 寒い日・・・体の芯から温めてくれるので、ほかほか感が長時間続きます。
- 美肌・・・血流が良くなるので皮膚にハリが生まれます。美白効果もあり。
- 夏のクーラーで冷えたとき・・・夏でも冷えを感じる人は加熱がおすすめです。
体を温める生姜ですが、体の芯から温めるには、加熱して食べましょう。
生姜を使ったレシピも今後、紹介していく予定です。お楽しみに
乾燥するこの季節。
何と言っても嫌なのは「バチッ!」とくる静電気。ドアノブを触るのは怖いし、服を脱ぐときにもパチパチ。
痛いけれど、乾燥しているから仕方ないと思っていませんか? その諦め、実は健康によくありません。静電気をたくさん感じている人は、体が冷えている可能性があるのです。
そもそも静電気とはなんでしょうか。
地球上にあるすべてものは、小さな原子が組み合わさってできています。原子にはプラスの電気を持ったものとマイナスの電気を持ったものがあり、通常はプラスとマイナスが同じ数集まってお互いを打ち消しあって存在しています。
しかし、二つのものがこすれ合うと、動きやすい性質を持つマイナスの電子が移動して、プラスとマイナスのバランスが取れなくなってしまいます。この状態を「帯電」と呼びます。人や物が動き、触れ合えば、帯電するのは避けられません。
帯電した物体は磁石と同じような働きをします。プラスの帯電をしているものと、マイナスの帯電をしているものを近づけたるとくっつこうとします。髪の毛に下敷きをこすりつけて離すと、髪の毛が下敷きに吸い付いたり、スカートが足にまとわりつくのがこの状態です。反対に、マイナスとマイナス、プラスとプラスが触れると反発し合います。
私たちの体に帯電が起きるとき、たいていはプラスの電気が多く余った状態になっています。このときに、電気の流れやすい金属などに触れると、体からプラスの電気が逃げて金属に流れていきます。これが、私たちが感じる静電気。つまり、静電気はたまりすぎた電気を放電しているというわけです。
それにしても、なぜ、空気が乾燥していると静電気が起こりやすいのでしょうか。
その原因は、水が電気を逃がしやすい性質を持っていることにあります。湿度の高い場所では、体から電気が逃げやすく、体に電気が溜まりにくいのですが、空気が乾燥していると体から電気が逃げられず帯電しやすいのです。それに、汗をかくため、衣類にも湿気がありますし、カーペットやスリッパなども湿気を帯びています。人間だけでなく、物体も帯電しにくい状態になっているのです。
また、冬は重ね着をしますから、衣服同士がこすれあう機会が増えるのも静電気が起こりやすくなる原因の一つです。
ここからが、いよいよ本題です。
静電気が起こりやすい人は、なぜ冷え症の可能性があるのでしょうか。
体に帯電が起きると、毛細血管がきゅっと収縮します。血管が細くなるわけですから、血流が滞ることになり、体の冷えが引き起こされてしまうのです。
また、帯電の多くはマイナスの電気が不足した状態です。マイナスイオンが不足すると、体内が酸性に傾き活性酸素が発生します。活性酸素は体をさびさせ、体温の低下を招きます。
さらに、静電気のバチッとした衝撃は、自律神経の交感神経を刺激して血糖値や血圧を上昇させます。即座に脳は、自律神経のバランスを元に戻そうとホルモンを分泌させるのですが、このとき体内のビタミンCをたくさん使うことになります。ですから、静電気の起こりやすい人は、肌がカサカサしやすい体質だとも言えるでしょう。
逆の見方をすると、体調が良くないとき、体が冷えているときには、血流が滞りがちになりますから、静電気が起こりやすくなります。寝不足、ストレスや疲れがたまっているとき、病み上がりにも帯電しやすく、静電気を感じることが多いはずです。
では、静電気から身を守る、簡単な方法をいくつか紹介しておきましょう。
◉帯電を防ぐ方法
- 室内の湿度を65%以上に保つ
- 肌を乾燥させないように保湿クリームを塗る
- 絹、綿など天然素材の肌着を着る
- 化学繊維の重ね着をしない
- シルクの靴下をはく
- 良質なミネラルウォーターを飲む
日常生活の中では、上手に放電をして、バチッとくる静電気を防ぎましょう。たとえば、金属製のドアノブを触る前に、コンクリートや木、土に触るのも良いですし、革製品は電気を通さないので、車のドアノブに触るときに革手袋をするのも一策です。パソコンを常時使用する仕事をする人は、靴底から放電する仕様になっている靴も販売されているので利用するのも良いですね。
それから、洗濯乾燥機を使われる人におすすめなのが、アルミホイルで作ったボールを3個投入して乾燥機を回す方法です。アルミホイルを硬く丸めて、ゴルフボールほどの大きさにするだけ。乾燥機から衣類を取り出すときに、静電気で痛い思いをしなくてすみます。試してみてください。
2018-01-31 |
肩こり,
腰痛,
膝痛,
自律神経,
陶板浴
腰痛、肩こり、膝の痛みなど、原因のはっきりしない痛みで悩んでいる人にとって、冬はやっかいな季節です。気温が低くなると、温かい季節と比べて、痛みが断然増して感じられるのはいったいどうしてなのでしょうか。
整形外科が専門で、自律神経の働きに詳しい医療法人永光会理事長の新井幸吉先生に「膝の痛みの原因」について、お話を伺いました。
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ご存知の通り、人間は恒温動物です。
本来であれば、食事をして体内でエネルギーをつくっているわけですから、体温が上がり続けてもおかしくないのですが、健康体であれば平熱を保てる。これは、体内でつくられた熱を、皮膚から放射しているからです。
では寒い時期に、夏場と同じように熱を放射し続けたらどうなるでしょうか。
当然ですが、身体から余分に熱が奪われて、体温が下がってしまいます。そこで、生きるための基本的な活動を司る「自律神経」が働くことになります。
自律神経は、体温が奪われないようにするために、交感神経を活発にします。交感神経が優位になると、血管がキュッと締り、血液を流す量が少なくなります。そのために、筋肉は活発に動くことができなくなり、手や足がかじかむようになります。また、皮膚下を流れる血液量が少なくなるために、皮膚の色が白っぽく見えるようにもなります。
同時に、寒さに耐えようとすると、身体を縮こませるようにしますが、あれは、身体の表面積を小さくして、できるだけ体温が放出されないようにする自己防衛本能の現れのひとつです。
こうした寒いときに起こる身体の反応が、腰、膝、肩などの痛みを助長する大きな原因になっています。
血液は新鮮な酸素と栄養を運び、老廃物を除去する働きをしていますから、血流が滞ると、老廃物が身体のあちこちに置き去りにされた状態になります。老廃物は筋肉を硬くして、身体の動きを妨げると同時に、痛みを誘発する物質を放出します。また、十分な栄養が運ばれてこないために、筋肉の栄養不足が起きて痛みを引き起こすことにもなります。
つまり、「寒い=痛みが増す」のは、血流の悪化が大きな原因となっているわけです。
さて、今回は膝の痛みということですが、「歩くと膝が痛い」「動かすと膝が痛い」という人の場合、「関節包」と呼ばれる部分が硬くなっていることが多々あります。関節包は膝の関節全体を守る、ラップ状の組織で、膝がなめらかに動くために欠かせない部分です。この組織の中には、痛みを感じる神経が張り巡らされていて、硬くなると痛みを感じやすくなってしまいます。
◉関節包が硬くなる原因は次のふたつです。
・加齢
・寒さ
関節包が硬くなっているかをチェックするのはとても簡単。仰向けに寝て、両足を伸ばします。そこから片足の膝を曲げ、かかとがお尻につけば関節包の柔軟性に問題はありません。しかし、かかとがお尻に届かない場合は、関節包が硬くなっている可能性があります。膝の裏を伸ばすストレッチを行うとともに、膝を温めてあげましょう。入浴はもちろん、膝にゆるめのサポーターをするのも効果的です。もちろん、陶板浴で温めるのも良いと思います。
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新井先生ありがとうございました。関節包の硬さは夏と冬では、同じ人でも変化があるそうです。痛みに苦しまないためにも、身体を常に温めることが大事なのですね。
歩きスマホが社会問題になるほど、携帯電話と私たちの生活は切り離せないものになってきました。どこでも連絡がとれて、検索もできて、音楽や動画も楽しめる。便利な存在であることは誰も否定できません。
しかし、多くの人が知っていながら、知らないふり、気づかないふりをしているのが、携帯電話の電磁波が身体に及ばす影響です。ヨーローッパでは携帯電話を子どもに使わせないようにと、条例で定めているところもあるほど、実はさまざまな研究機関が、携帯電話の電磁波については警鐘を鳴らしているのです。
そもそも、電磁波とは何でしょうか。
簡単に説明すると、電気の力が働く電界と、磁気の力が働く磁界が影響し合うことで生まれる波のことを言います。両者の波は連続して発生するのですが、その波の大きさを表すのが波長、1秒間に波が繰り返される回数を周波数と呼びます。
太陽から発せられている紫外線や赤外線、レントゲンで使われるX線、がんの治療で使われる放射線治療も電磁波ですし、電磁調理器やテレビ、ラジオの電波も電磁波のひとつ。生活を便利にする電磁波ではあるのですが、周波数と出力によっては、身体に悪影響を及ぼすことがあると危惧されているのです。放射線などは、どれくらいの量を、どれくらいの時間浴びると身体にとって危険なのか、逆に有効なのかは科学的に調査され、その基準に沿って医療的に使用されています。
携帯電話の電磁波は、テレビなどの放送電波よりも周波数が高い「マイクロ波」と呼ばれる領域になります。マイクロ波といえば、電子レンジを思い浮かべる人も多いと思いますが、まさにそのとおりで、携帯電話からは電子レンジと同じような電磁波が発せられているのです。
電子レンジに使われるだけあって、マイクにロ波は物質の表面だけでなく、深部にまで影響を与える性質を持っています。つまり、携帯電話で通話をすると、電磁波は脳の内部にまで届いていることになります。
では、脳に届いた電磁波はどのような悪さをするのでしょうか。
携帯電話を長時間使用すると、脳腫瘍になりやすい!
1999年にスウェーデンのハーデル博士は「携帯電話を当てる側の頭部では、脳腫瘍が約2.5倍増えている」と発表しました。これについては否定する意見もありますが、実際、携帯電話を使用することで「電磁波アレルギー」を発症する人もいて、危険性を訴える意見を無視できない現状になっています。
また、男性が携帯電話をお尻のポケットに入れておくと、精子の数が減り、生殖不能になるとか、小児がんや乳がんが増えると主張する研究者も少なくありません。
少しでも携帯電話の電磁波から受ける悪影響を減らすためにできることをお伝えしておきましょう。
・イヤホンとマイクのついたケーブルを使い、携帯電話を身体からなるべく離して使用する。電磁波を完全にブロックできるわけではありませんが、すこしはましです。
・携帯電話はポケットに入れず、バッグにしまう。心臓近くのポケットには絶対に入れない。
・就寝時、身体の近くに携帯電話を置かない。マナーモードにしていても、電磁波は出続けています。
・電車内や車の中など、電波のつながりにくい場所では使用しない。電波がつながりにくいということは、携帯電話はより強い電磁波を発して通信が可能になるように働くからです。
・子どもや妊婦さんはできるだけ使用を避ける。頭蓋骨の薄い子どもや胎児は、電磁波の影響を受けやすく、特に脳腫瘍が心配されるためです。
ガラケーとスマートフォンでは、アンテナのついていないスマートフォンのほうが、より強い電磁波を発しているということも知っておいてください。
今や、生活必需品と言える携帯電話ですが、誕生してからまだ30年しか経っていません。身体への影響などが明確になってくるのは、これから先のこと。警鐘を鳴らす学者さんたちがいる以上、自分の身を守るためにも、携帯電話の使用方法を見直す必要があるかもしれません。
ところで、陶板浴からも電磁波のひとつである「遠赤外線」と「テラヘルツ波」が発せられています。これらは、携帯電話の電磁波と違い、身体に有効な作用しかもたらしません。
遠赤外線は金属以外の物体を、効率良く温めるという優れた特徴を持っています。じんわり、身体の深部まで温めるには最適な電磁波ということになります。
テラヘルツ波は「命の光」と呼ぶ人がいるほど、身体にとって良いことづくめの電磁波です。1秒間に1兆回も振動をするテラヘルツ波は、振動によって物質に変化を起こすことができます。そのもっとも顕著な作用が、水などの液体を最小化、細分化する「ナノ化」現象です。
テラヘルツ波のエネルギーが体内に照射されると、体の中の水分が、テラヘルツ波の細かい振動に共振して、水の構造が変化し、細かくなるのです。人間の身体の中にある水分の代表といえば血液。つまり、血液を最小化、細分化する現象が起こり、血液をサラサラにするのです。
テラヘルツ波を当てる前後の毛細血管内の血液を調べると、テラヘルツ波を当てたあとのほうがスムーズに流れることがわかっています。
同じ、電磁波を使ったものでも、携帯電話と陶板浴では身体に与える影響が180度違うというわけです。成人病の予防に陶板浴を利用する人が多いのも納得できますね。
新春の7日に食べると良いとされる「七草粥」。
スーパーの野菜売り場でも、「七草セット」として売られていて、縁起物のイメージがあります。子どもの頃に、教育番組で「ごぎょう はこべら…」と、意味もわからず七草の名を覚えた人もいるかもしれません。
七草は、春一番に芽吹く草を食べることで邪気をはらい、無病息災を祈る意味があると言われています。
季節の節目の日を「節句」と呼び、年に5回の節句がありますが、1月7日もその一つ。「人日(じんじつ)の節句」という節目の日に当たります。「人日」というのは、中国に昔からある日にちの考え方に由来していて、人を大切にするという意味があります。この日に7種類の野菜を入れた汁物を食べて無病息災を祈る習慣は、中国の唐の時代にはあったとされています。
日本にも、平安時代には7種類の野菜を食べる風習が伝わり、江戸時代には将軍の胸式行事として、「人日の節句」が祝われるようになり、その祝いの一つとして、7種類の野菜を入れた粥を食べるようになったと言われています。
「人日」は、新年で最初にツメを切ると良い人もされています。七草を浸した水に指を浸し、ツメを柔らかくしてから切ると、その年は風邪をひかないのだそうです。
七草は春夏秋冬、それぞれの季節ごとにありますが、1月7日に食べるのは「春の七草」。昔は地方ごとに七草の種類は異なっていたという説もありますが、現在は以下の7種類が春の七草とされています。
芹(せり)
特徴:湿地や川辺に生え、白い小さな花をつける
効能:食欲増進、解熱、整腸、利尿、増血
言葉の意味:競り勝つ
薺(なずな)
特徴:畑や道端に生える。アブラナ科でペンペン草とも呼ばれる
効能:利尿、解熱、止血作用
言葉の意味:なでて汚れを除く
御形(ごぎょう)
特徴:母子草(ハハコグサ)が正式な名前。キク科の越年草で道端などに生える
効能:風邪予防、咳止め
言葉の意味:仏体
繁縷(はこべら)
特徴:ナデシコ科で道端に生え、白い小さな花をつける
効能:歯の鎮痛、利尿、消炎
言葉の意味:繁栄がはびこる
仏の座(ほとけのざ)
特徴:田平子(たびらこ)とも呼ばれる。キク科で田や畦に生える
効能:胃腸増強、食欲増進
言葉の意味:仏の安座
菘(すずな)
特徴:カブの呼び名。
効能:消化促進、美白
言葉の意味:神を呼ぶための鈴
蘿蔔(すずしろ)
特徴:大根の呼び名。
効能:風邪予防、消化促進、美肌
言葉の意味:汚れなき清白
やわらく炊いた粥に、消化を促進し、胃腸を整える草を入れる。正月のご馳走で疲れた胃腸をいたわる、体に優しい風習だと言えそうです。
七草をお粥に入れる際は、水洗いしたものを熱湯で1分ほど下茹でします。塩を少々加えると色鮮やかになりますし、アクを抜くことができます。すずな(カブ)とすずしろ(大根)の身を利用する場合は、薄切りにするとすぐに火が通ります。
熱々のお粥を、ふーふー言いながら食べると、身体の内側からポカポカしてくるものです。胃腸をリセットするためにも、日本古来の風習を実践して、新しい年も体温37度を目指していきましょう。
2017-12-24 |
低体温,
全身疾患,
歯周病,
陶板浴
歯と全身の疾患について研究している歯科のドクターとお話をする機会を得ました。噛み合わせ、虫歯、歯周病など、歯の問題は、さまざまな病気と深い関連があるそうですが、今回は歯周病と全身疾患の関係について教えていただいたことを紹介します。
私たちの口の中には、常に500種類近い細菌がいるそうです。これらの菌が、甘い食べ物や、いつまでも口の中に残った食べカスと反応すると歯垢と呼ばれるものになります。
歯垢はベタベタ、ネバネバしていて、歯磨きでは落としきれず、歯の表面や、歯と歯肉の間にくっつきます。この歯垢が、歯と歯肉のあいだにある「歯肉溝」に溜まると、細菌が住み着き炎症を起こします。これが歯周病の始まりです。
さらに症状が進むと、溝が深くなり、歯周ポケットと呼ばれるようになり、やがて、歯を支える骨を溶かしてしまいます。歯を失う原因になってしまうのですね。
口の中で起きる歯周病ですが、恐ろしいことに「歯周病菌」は口の中だけにとどまりません。歯茎にある毛細血管に入り込み、全身に運ばれてさまざまな病気の原因になってしまうのだそうです。
たとえば心臓の病気。
狭心症や心筋梗塞は、血液がドロドロになったり、血管が狭くなる「動脈硬化」が起きたて、心筋に血液が届かなくなって心臓が止まってしまう可能性のある病気です。主な原因は、食事や生活習慣にあると言われてきましたが、近年研究が進み、
動脈硬化は歯周病菌などの細菌感染が原因
と、言われるようになってきました。歯周病菌が歯茎の毛細血管から動脈に入り、血管の壁に沈殿して「プラーク」と呼ばれるものになります。このプラークが剥がれて血管をふさいだり、狭くしたりすることで動脈硬化が起きてしまうのだそうです。
脳の病気も歯周病との関連がささやかれています。
歯周病菌のプラークが脳の血管まで流れてきて、脳の血管を詰まらせると、脳梗塞の原因になります。
歯周病の人は脳梗塞になる確率が2.8倍!
と言われているそうです。
糖尿病と歯周病は密接な関係があり
糖尿病の合併症は歯周病。
歯周病の人は糖尿病になりやすい。
と、相互関係があるのだそうです。歯周病は「菌」ですが、血管に入ると死滅してしまいます。しかし、その死骸が身体の中で悪さをするのです。血糖値を下げるホルモン「インスリン」の働きを邪魔して、糖尿病の症状を悪化させることもあります。
難しい話は省きますが、歯周病という「菌」が、歯肉の毛細血管から入り込むということは、私たちの血液が「菌」で汚されるということです。食事に気をつけて、規則正しい生活をしていても、歯茎から「菌」を取り入れてしまえば、血液が汚れてしまう。怖いですね。
では、歯周病の原因は?と、ドクターに質問すると…
まずは、歯と歯肉の境目の汚れ。これは、常識ですね。歯と歯肉のあいだにある「歯肉溝」に汚れを残さないことが一番です。歯と歯肉の境目をしっかりブラッシングして、細菌をためないようにしましょう。
歯ぎしりや、くいしばり、かみしめなど、歯肉によけいな力が加わることも原因の一つだそうです。眠っている間や、無意識のうちに歯をかみしめる癖のある人は、マウスピースを作成してもらって、歯肉の負担を減らしたほうが良いそうです。
また、合っていない義歯や被せ物、歯が不足している人も歯周病になりやすいそうです。
他にも、喫煙や薬の副作用などが原因になることもあるそうですから、思い当たる人は歯医者さんでチェックしてもらいましょう。
そして、今回、とっても驚いたことに、歯周病の原因として「冷え」が関連しているということ。
身体が冷えると、歯茎の血行も悪くなります。歯茎には細い毛細血管がたくさんありますが、冷えて血行が鈍ると、歯肉の免疫機能が衰えるというのです。
普段なら自分の免疫機能で排除できる歯周病菌であっても、血行不良を起こしていると、菌の力に負けてしまうのです。歯周病菌は「今がチャンス!」とばかりに、歯肉の中に住み着き、炎症を起こしていきます。疲れているときや、寝不足のときに「歯茎がうずく」なんて言う人は、歯周病菌が住み着いていて、体力が弱ったのを良いことに歯周病菌が活動を始めた可能性があるそうです。
そうした経験のある人は、必ず歯科検診をうけてください。歯周病のチェックをしてもらい、治療やセルフケアをスタートさせましょう。
では、歯周病を予防するために、歯茎の血行を良くする方法は?
最初に思いつくのは「歯茎のマッサージ」ですよね。
でも、歯ブラシで歯茎を刺激するのはおすすめできないそうです。歯と歯肉の間をブラッシングして汚れをかき出すことは必要ですが、歯茎そのものをブラッシングすると、歯茎が下がってしまいます。マッサージをするのであれば、清潔にした指で、歯肉を軽くなでるくらいで十分です。力を入れすぎないようにしましょう。
一番のおすすめは、身体の中を温めること。
歯周病予防のために、身体の免疫力を上げるには、体温37℃が目標です。入浴で全身を温め、身体を冷やす食べ物は避けましょう。そして血液から温めるのであれば、陶板浴が最適です。
エアロビ、ヨガ、ピラティスなど、体に良いと言われる運動にはいろいろな種類があります。体験してみると、どのエクササイズも身気持ち良いし、体が楽になるのは確か。だけど、どれもこれも「時間がない!」「めんどうくさい!」とリタイヤした経験を持っている方、けっこう多いのではないでしょうか?
そんな、時間のない人や、運動嫌いな人にも続けることのできるエクササイズを紹介します。
その名は「ピルビスワーク」。
初耳の人もいるかもしれませんが、実は、じわじわと人気になりつつあるエクササイズ方法です。
骨盤を意味する「ピルビス(Pelvis)」と、呼吸体操の実践を表す「ワーク(Work)」を組み合わせた造語で、全身の骨格と筋肉の調整をする「骨盤呼吸体操」のこと。今回は、1級ピルビスワーカー認定講師の長谷川佳奈子先生にお話を伺いました。
お会いしてびっくりしたのが、長谷川先生の美魔女ぶり。本当の年齢マイナス10歳は確実に、お若く見えます。しかも、スタイルもばっちり! これは大変なエクササイズなのだろうな…とちょっとビビっていましたいが、実際に体験させていただくと、静かな動きでじんわり汗をかく程度。しかも、たった40分のエクサイズで、身長が3センチは伸びた気分です。
長谷川先生のレッスンを月に2回続けている48歳の女性は
「腰痛がひどかったのですが、ピルビスを始めてから楽になりました。それに、いつも姿勢を気にするようになり、体も引き締まった感じです」
とお話してくれました。
早速、長谷川先生のお話を紹介しましょう。
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当たり前のことですが、体は全部一つにつながっています。どこか一部を使っているつもりでも、実際には体のいろいろな部分が動き、筋肉や神経がさまざまに働いています。
そのための中心的役割をするのが「骨盤」です。
骨盤が中心となって私たちの姿勢を保ち、スムーズな動きができるようになっています。骨盤の位置、傾きなどが正常であれば、全身の各部位の動きはスムーズになり、呼吸も楽にすることができます。
ところが、骨盤のバランスが崩れていると、全身のバランスも崩れます。背中、首、股関節などに無理な力が加わり、その状態が長く続くと、肩こり、首や腰、膝などの痛みにつながると容易に想像できます。
骨盤は仙骨(せんつい)、腸骨(ちょうこつ)、恥骨(ちこつ)、坐骨(ざこつ)に代表される複数の骨からできていて、それぞれに大事な役割があります。
・仙骨
骨盤の真ん中にある仙骨は、まさに体の大黒柱。背骨から首、頭蓋骨までを支える重要や役割をしています。仙骨が正しい位置からずれていると、顔のゆがみ、首や肩のこり、腰痛が起きることがあるのです。また、便秘や冷え、生理痛や生理不順、ホルモンバランスの乱れにも関係すると言われています。
・腸骨
腰骨とも呼ばれる骨で、腸を下から支えています。また、膀胱や子宮、卵巣を守る役割もしています。腸骨は開いたり閉じたりして、内臓の機能をサポートしているのですが、腸骨にずれが生じたり、開閉がうまくいかないと、肥満、便秘、不眠などの原因になると言われています。
・恥骨
骨盤の中で、最も前側に位置する骨です。内蔵を守るほか、女性の場合は、妊娠中に胎児を守り、出産時は産道をつくるために緩まる仕組みを持っています。
・坐骨
骨盤の中で最も下部にあります。座ったときに座面に接するのが坐骨です。左右の坐骨で均等に上半身を支えると、座ったときに体には負担がかかりません。しかし、足を組んだり、横座りをするなどして、片方の坐骨に負担をかけると、体の各所に負担がかかり、痛みの原因になってしまいます。
骨盤には、血管やリンパ節、神経などが通っており、骨盤がゆがむことで、それらの流れや機能を阻害することになってしまいます。その結果、関節の痛みやコリ以外にも、むくみや肥満といった悪影響が生じることもあるのです。
ピルビスワークは、骨盤の位置を正しく整えると同時に、骨盤呼吸法もレッスンしていきます。骨盤呼吸は背骨の柔軟性を良くし、自律神経のバランスを整える呼吸で、新陳代謝をあげ、血流も改善します。全身の隅々まで、酸素や水分を行き渡らせ、その循環も良好に。老廃物をデトックする効果も期待できますから、体も心も気持ちよく整えることが可能なのです。
ただし、ピルビスワークスで骨盤調整をしても、日々の生活で骨盤を歪めるような姿勢をとってしまうと、骨盤は元に戻ってしまいます。
・座るときには、骨盤を立ち上げ、背中は反らせない。
・立つときには、片足に重心をかけず、両足に均等に体重をかける。
・バッグは両手で順番に持つようにする。
簡単なことですが、これがなかなか守れないものです。腰痛や膝痛、肩こりで悩まないためにも、ぜひ、この3つの約束は守って欲しいと思います。
また、これからの季節、体を温めることも重要です。レッスンのたびに生徒さんには伝えているのですが、体の深部を温めるようにして欲しいのです。そのために、私が推奨しているのが足のマッサージです。足が温まると、全身の血行が促進されて、体の内部から温めることができます。そうすると、骨盤内を通る血液の流れも改善されて、全身状態を良好に導くことができるのです。
例えば、お風呂の中で以下のようなマッサージをしてみてください。
①足の指と指の間を、手の指を使って広げていく。
②足の指を手でつかみ、かかとに近づけるように内側へ反らせ、足の甲を伸ばし、足の裏に縦アーチをつくる。
③足の両側を手でつかみ、足の裏側に折りたたむようなイメージで、甲を横に広げ、足の裏に横アーチをつくる。
④足の指と手の指をからめて、足の指を広げる。
陶板浴は、体の深部から温める効果があると聞きました。テラヘルツ波は遠赤外線よりも深く体の中に入りこみ、血液をさらさらにするようです。足のマッサージに加えて陶板浴を毎日続けたら、骨盤の調整にも一役買いそうですね。
長谷川佳奈子(はせがわ かなこ)先生
日本ピルビスワーク協会認定 1級ピルビスワーカー/中高老年期運動指導士/AEAJ公認アロマテラピーセラピスト
2017-11-19 |
ペット,
低体温,
陶板浴
犬や猫を飼っている家庭では、朝晩、冷えるようになってくるこの季節、ペットが飼い主さんの布団に潜り込んだり、ファンヒーターの前を占領するようなことが増えてくるようです。毛皮で覆われているのに、本当に寒いの? 甘えているだけでは? などと、疑問に思う飼い主さんもいるのではないでしょうか。
特に犬は、童謡の歌詞でも「雪が大好き!」とうたわれていることもあり、寒さに強いと信じている飼い主さんも多いと思います。しかし、実は、家庭で飼われている多くの犬種は、寒さにめっぽう弱いのだそうです。
その真実を探るべく、「ペット鍼灸セラピー協会」認定のセラピストである中尾美季先生にお話を伺いました。
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体力的にみて、日本の冬を外で過ごせるのは、昔から寒い地方で外飼いされていた犬種に限ると考えるべきです。もともと日本で暮らしていた犬であれば、柴犬、秋田犬、北海道犬、甲斐犬・紀州犬・四国犬。海外から入ってきた犬種であれば、シベリアンハスキーやサモエドなどがそれに当たります。これらの犬種でも、幼犬の頃から家の中で育ててきた場合は、成長の途中で外飼いに変更するのは、犬のストレスになるので避けたほうが良いでしょう。
その他の犬種に関しては、寒さに弱いことが多いようです。飼い主さんの布団の中や、こたつに潜り込むというのは、温かくて気持ちが良いからです。その家のしつけ方針に沿っているのであれば、叱ってまで犬の行動を止める必要はありません。
私は犬や猫に鍼灸セラピーをするのが仕事なのですが、最近は、犬も猫も「冷え」ている子が多く驚きます。特にアレルギーを持っている子や、老齢期の犬や猫では、耳やお腹、肉球が冷たいと感じます。表面的な身体の冷たさは、必ずしも体温とは合致しませんが、体表の冷たい子は、たいていの場合、身体の深部が冷えていることが多いのです。こうした身体の「冷え」は、病気と密接な関係があります。
東洋医学では「五行」という気の考え方に基づいて、診断や治療が行われます。木・火・土・金・水という5つの気の性質が、お互いに影響を与えながらバランスをとることで、身体が整えられるというと考え方です。互いに助け合うことは「相生関係(そうせいかんけい)」、互いに抑制することは「相剋関係(そうこくかんけい)」と呼ばれ、体内の臓器にも当てはめることができます。
たとえば、「水」は「冷え」を表しますが、「冷え」が起きる「木」である肝や胆も同時に弱まります。また、「土」である胃や脾が弱まると、「水」も抑制されて「冷え」が強くなるのです。つまり、身体が冷えると、腎臓や膀胱が最初にダメージを受け、それに引っ張られるように、肝臓や胃腸にも悪影響が及ぶのです。犬や猫に多い、腎臓病や胃腸障害、尿石症や膀胱炎は、冷えが原因で起きていることが多いと考えると納得がいきますね。ケンネルコフなどの感染症予防にも、免疫力を上げる方法として「冷え」の改善をおすすめしています。
また、冷えは血のめぐりを滞らせる大きな原因になります。血液の流れが悪くなると、身体の末端に血液が届きにくくなり、犬や猫でも「冷え性」になってしまうのです。同時に、筋肉をこわばらせるので、犬や猫でも肩こりを起こしている子は意外に多く、老齢になると関節炎を起こすこともあります。
犬や猫にとって快適な、冬の部屋作りとして提案をするのであれば、ペット専用の温かい場所を作ってあげることです。専用の毛布や、ドーム型のベッドなど、自由に行き来できる場所に、身体を温めるグッズを用意してあげましょう。
洋服に関しては、猫は毛づくろいの邪魔になるので不要ですが、犬の場合は寒暖差を避けるためにも、嫌がらなければ外出時など積極的に活用して良いと考えます。また、洋服でなくても、お腹と腰を温められる腹巻タイプでも十分です。血管が締め付けられると「冷え」を起こす原因になってしまいますので、洋服なら少しゆとりのあるサイズを選びましょう。
また、冬の散歩はできるだけ温かい時間を選ぶのが望ましいです。ただし、寒いからと靴を履かせるのはどうでしょう…。肉球には感覚器官としての役割があり、暑さや寒さから身体を守ってくれます。また、土の上を歩くことで、体内にたまった余分な電磁波を体外に放出するという説もあります。ですから冬であっても、脚に疾患がなければ靴は履かせず、コンクリートより土の上を歩かせてあげてください。
入浴で身体を温めるのははどうですか? という質問をされる方が多いのですが、犬や猫が気持ち良さそうにするのであれば構いません。ただ、被毛がいつまでも濡れていると、体温を奪われてしまいますから、毛を素早く乾かす必要があります。どちらかというと、入浴よりは身体の深部を温められる方法が良いでしょう。
陶板浴は被毛を濡らさずに、深部まで温められるため、犬や猫を「冷え」から守るには大変有効な方法だと考えられます。1回に5〜10分程度、毎日でなくても継続することが大切です。1回の時間が長過ぎすぎると、温まりすぎてのぼせてしまいます。目安としては、耳が熱くなったら終了すると良いでしょう。陶板浴後は水分補給を忘れずに。お水をたっぷり与えてあげてください。
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中尾美季(なかお みき)先生
ペット鍼灸セラピー協会 認定セラピスト/JPLA小動物看護師・介護士
ペット鍼灸セラピーハウス「茶居day」主催。刺さない鍼やお灸で、ペットの身体のバランスを整え、基礎代謝や自然治癒力や免疫力をあげるサポートを行っています。
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中尾先生ありがとうございました。犬と猫に飼い主さんが自分でできる、お灸とマッサージについても教えていただく予定です。